去る6月20日、在京金ヶ崎人会の会員、伊藤優子さんが中心となり、総勢9名が新宿代々木上原のライブハウスに駆けつけた。岩手県出身で、”平成の三橋美智也”と呼ばれている大型新人歌手「福田こうへい」さんの応援のためである。会場に着くとすでに、遠く三重県や大阪などから来たファンや、地元盛岡近郊の出身者で現在首都圏に住んでいる人などで、会場が埋め尽くされていた。
デビュー曲「南部蝉しぐれ」や「風やまず」がまず披露され、聴衆を魅了した。ファンの年齢層が、60代から70代であり、自分の息子の晴れ姿を見ているような錯覚で、歌に酔いしれているようだった。三橋美智也、千昌夫、吉幾三、などのふるさと演歌と、彼の得意な民謡「南部牛追い唄」をうたいながら、祖父・祖母、民謡歌手で今は亡き父のこと、演歌の好きな母のことなど語りかける、久しぶりに聞く南部訛りに、故郷に帰ったような気がした。
彼の歌には、大地の鼓動がある。岩手山、北上川、そして草原で草を食べている牛、時折、チャグチャグ馬っこの鈴の音も聞こえてくる。土とふれあい、大地に根を下ろした、本当の歌を聴いた。心の底から元気が出た。
福田こうへいさんは、現在NHKの歌謡コンサートに出演されている。同郷人として、できる限り応援してゆきたい。